双劉舎の主な京劇演目

 
双劉舎の主な得意京劇演目
孫悟空大戦白骨精 ~西遊記より~

三蔵法師、孫悟空一行が天竺へ旅する途中、ある山中で白骨精という女の妖怪に出会いました。
白骨精は、三蔵法師の肉を食べると不老長寿が得られるということを聞き、三蔵法師を狙います。
そこで孫悟空は三蔵法師を守るため、白骨精と戦うことに…。

孫悟空vs白骨精の激しい立ち回りを、テンポ良くスリリングに2人芝居で魅せます。
劇中に「変面 ( へんめん )」と言う一瞬にして顔が変わる技も飛び出します。

盗仙草 (とうせんそう) ~白蛇伝より~

白素貞は白蛇の化身。白素貞は人間界に降り、許仙と言う男と夫婦になりました。
許仙は妻の本当の姿を知りませんでしたが、酒を飲んで白蛇の姿に戻ってしまった妻を見て、夫はあまりの驚きで死んでしまいました。
その夫を生き返らせようと妻の白素貞は、禁断の薬草「霊芝仙草」を採るために、鹿の姿をした鹿童と鶴の姿をした鶴童という神様と、やむを得ず戦うという物語です。

戦闘のシーンは舞踊を思わせ、大変に優雅です。
衣装も素晴らしく、京劇の真髓を見せてくれます。

鬧天宮 (どうてんぐう) -悟空・天宮を騒がす-

孫悟空は無敵の神通力を持ち、下界でやりたい放題。天帝は、悟空が再び面倒を起こさないように、悟空に官位を与え、天界の桃園の管理を任せました。

しかし、ある日、悟空は玉帝の誕生日に自分が招かれなった事を知ります。腹をたてた悟空は、桃を取って食べ、酒を飲み、天庭を無茶苦茶にして、揚句の果てに不老不死の薬「金丹」を盗んで、下界の古巣・花果山へ帰ってしまうのでした。

一人京劇・孫悟空 ~西遊記より~

お釈迦様によって岩山の下に閉じ込められた孫悟空は、五百年後に三蔵法師によって助け出されました。
大喜びの孫悟空は五百年ぶりに手足を伸ばし跳ね回ります。

覇王別姫 (はおうべっき)

映画「さらば、我が愛~覇王別姫」で有名となった「史記」の一場面。
追い詰められた楚の覇王・項羽は、四面を囲む漢軍が楚の国の歌を歌うの聞き、自国の兵が漢に降伏したと思い、もはやこれまでと覚悟を決めます。
項羽の愛妃・虞姫は酒宴の際に剣舞を披露し、項羽の心を慰めた後、自分が手足まといになるのを恐れ、隙を見て項羽の剣を抜き、自ら命を断ってしまいます。

虞姫の見事な剣の舞は、この演目の見せ場です。

扈家荘 (こかそう) -扈一族の村-   ~水滸伝より~

中国の名作「水滸伝」の一場面。
宋江を頭目とする梁山泊軍は、村々を圧政から解放してゆきました。
が、祝家荘という村を攻めたとき、祝家荘の救援に駆け付けた美女・扈三娘(こさんじょう)の活躍で、梁山泊の豪傑・王英は打ち負かされてしまいます。

美しい扈三娘の激しい立ち回りが、この劇の最大の見せ場。
扈三娘は、強さと美しさを兼ね備えた「刀馬旦」の真骨頂といえます。

三岔口 (さんちゃこう)

任堂惠は、護送される焦賛を救い出そうと、ひそかに後を追い、焦賛一行に続いて三岔口(三差路)に一夜の宿を取りました。
宿の亭主・劉利華も、実は焦賛を救おうとしていたのですが、お互いを誤解してしまった二人は、深夜灯りの消えた室内で手探りで闘うことに…!

二人の男が真っ暗闇で決闘する、はりつめた空気の中にもユーモアの漂う作品です。

拾玉鐲 (しゅうぎょくしょく)

ある暖かい春の日。農村の若い娘・孫玉姣は、母の留守中に鶏を小屋に入れたり家の仕事をこなし、椅子を外に出して刺繍などをして過ごしていました。
そこへ若者・傅朋が通りかかり、二人は一目でお互いに恋心を抱いてしまいます。
若者は気持ちを託して玉の腕輪を門前に落として去ります。娘はすぐにその腕輪を見つけ、若者の気持ちに気づいて喜び、腕輪を拾います。

秋 江 (しゅうこう)

いとしい恋人を追いかけて尼僧・陳妙常は、尼寺を抜け出し秋江という川のほとりにやってきます。
老船頭に後を追ってもらおうとしますが、老船頭は娘をからかってばかり。恋に身を焼く娘の様子を面白がっているようです。

役者の演技だけで、何にもない舞台に川の流れと小舟の動きが見えてくる、詩情にあふれた小品です。

擂鼓戦金山 (らいこせんきんざん)

金国に攻め入られる南宋の戦陣に現れた女将軍・梁紅玉。
陣太鼓を打ち鳴らし勇猛果敢な戦ぶりで敵軍を打ち破ります。
鎧をかたどった豪華な衣装をまとい、武器を手に鍛かれた手練の技を披露いたします。

天女散花 (てんにょさんか)

お釈迦様は、薩の弟子たちの修行の成果を確かめるために、天女を修行の道場に遺わし、花をまくように命じます。
つまり、美しい天女の魅力で弟子たちを試そうと言うのです。
天女は様々な世界をまわり巡り、天地の美しい風景を見ながら道場につくと、思う存分に花をまき、そしてお釈迦様のもとに帰ってゆきます。
天女の優雅な舞と歌をたっぷりと堪能できる演目です。

貴妃酔酒 (きひすいしゅ)

玄宗皇帝の愛妃・楊貴妃は百花亭で酒宴の用意を整え、皇帝の訪れを楽しみに待っていました。
しかし、皇帝は約束を忘れ、別の妃が待つ西宮に行ってしまいます。
それを知った貴妃は、やり切れず一人で杯を重ねます。
酔うほどに空しくなった貴妃は、淋しく寝所に帰るのでした。